キミだけの、その声で。 ~君とあたしの恋の唄~
白く染まった息が、ふわっと藍色に染まった空に消えてゆく。
ひゅーっと容赦なく吹き付ける風に、身を縮こませ、
白色のマフラーに顔をうずめる。
「早く帰って、お風呂であったまろ」
そんなひとりごとを呟きながら、歩きだそうとしたそのとき。
《君の笑顔は僕の光で
僕はその笑顔を守りたくて
そんなことを君に伝えたら
君は笑って馬鹿にするかな》
さっきまで騒がしかった車の音や、行き交う人の声、クリスマスソングなんて、
まるで全てなくなってしまったのかと思うほど、あたしはその声しか聞こえなくなった。