キミだけの、その声で。 ~君とあたしの恋の唄~
スーパーの角を曲がって、少し歩くと人だかりが見えてきて、自然とあたしの足は速くなる。
〜♪〜♪〜♪
《君が好きなんだ
でも君は友だちとしか
見てないんでしょ
それでもいいんだ
君のそばにいられれば》
「すみません」と周りの人に謝りながら、人だかりのできるだけ前に行けるように、人のあいだをぬって進む。
そして、1番前に出て目の前に見えたのは、
楽しそうに、嬉しそうに、優しい瞳で歌うギターを持った男の子と、ベースやドラムを叩いてる男の子たち3人だった。
胸がぎゅっ、と掴まれたように苦しくなる。
なんだろう。これ。
病気………?
なんて、そんなことがわからないほどあたしは鈍感じゃない。