七不思議さん。
01.学校の怪談
初夏、六月下旬。
制服が夏服に変わり、いよいよ夏が到来した。
教室に入り込む風も生暖かく、窓際の席にも関わらず座っているだけでも暑い。
朝の教室は生徒が登校してくるたびに騒がしさを増し、余計に暑苦しさを感じさせた。
本を持っていた手に、じんわりと汗が滲み始める。
指を紙からはずすと、少しふやけて歪んでいた。
「暑い…」
誰にともなく呟いた独り言は、騒がしい教室に溶けて消える。
見上げた空はどこまでも青くて、また昨日と同じような朝。
水飲もう、と席を立ち、本に栞を挟んだ、
ちょうどそのとき。
「椿っ!」
「こら梓。いきなり抱きついたら椿が驚くじゃん」
ドンっという衝撃と共に、ウエストに後ろから巻かさった細く白い腕。
明るい声の挨拶に続き、大人っぽいアルトボイスも続く。
「椿、おっはよ!」
「うっす、椿」
ウエストに巻きついた腕をそのままに後ろを振り返ると、友達の二人がいた。
二人は中学に上がってからの友達だが、色々話しているうちに意気投合、
今では親友と呼べる仲にまでなった。
お姉さん系の宮村 京子(みやむら きょうこ)に、
甘えたがりの沢田 梓(さわだ あずさ)、そして私、吉川 椿(よしかわ つばき)。
何をするにも三人集まって、喧嘩もなく仲良く出来ている。
制服が夏服に変わり、いよいよ夏が到来した。
教室に入り込む風も生暖かく、窓際の席にも関わらず座っているだけでも暑い。
朝の教室は生徒が登校してくるたびに騒がしさを増し、余計に暑苦しさを感じさせた。
本を持っていた手に、じんわりと汗が滲み始める。
指を紙からはずすと、少しふやけて歪んでいた。
「暑い…」
誰にともなく呟いた独り言は、騒がしい教室に溶けて消える。
見上げた空はどこまでも青くて、また昨日と同じような朝。
水飲もう、と席を立ち、本に栞を挟んだ、
ちょうどそのとき。
「椿っ!」
「こら梓。いきなり抱きついたら椿が驚くじゃん」
ドンっという衝撃と共に、ウエストに後ろから巻かさった細く白い腕。
明るい声の挨拶に続き、大人っぽいアルトボイスも続く。
「椿、おっはよ!」
「うっす、椿」
ウエストに巻きついた腕をそのままに後ろを振り返ると、友達の二人がいた。
二人は中学に上がってからの友達だが、色々話しているうちに意気投合、
今では親友と呼べる仲にまでなった。
お姉さん系の宮村 京子(みやむら きょうこ)に、
甘えたがりの沢田 梓(さわだ あずさ)、そして私、吉川 椿(よしかわ つばき)。
何をするにも三人集まって、喧嘩もなく仲良く出来ている。