彼が涙を流した理由
「……まぁ、とにかく頑張りなよ!」





「他人事だと思って!」





「他人事だもーん」





そんなくだらないやりとりを授業も続けていて。





もちろん、怒られたよ?





でも、そんなやりとりが楽しいんだ。





「…………だから、Xを代入すると……」





「って!そんなこと言ってる場合じゃないよ!!!」





あっという間に昼休みまであと5分。





あれ……?「あと」5分?





「久保、静かにしなさい」





先生が思いっきりこちらを睨んだ。





「はい……」





佐妃、絶っ対笑ってる。絶っっっ対笑ってる!!!





キーンコーンカーンコーン





「あさひー!!!さっきの超ウケたわ!」





「佐妃のせいだぁぁぁ!!!」





あの先生、結構好きだったのに……





「あさひー行こー」





お弁当は早弁したから大丈夫だけど……





「いってらっしゃ~い!」





そして、今あたしは千晶と図書室へ向かっているわけです……。






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