彼が涙を流した理由
「千晶、やっぱり、経験者が多いよね…?」





「そりゃ、まぁ……ねぇ」





「やっぱりそうだよねー…どうしよう、3年なのに迷惑ばっかかけてたら…」





それで2年に「チッ使えねーな」とか言われたら、あたし死んじゃう!!!





もう図書室はすぐそこで。





千晶はさっきからうんうん唸ってるだけだし…。





「はぁ……」





どんどん気が重くなってく……





「あさひなら大丈夫だよ!あたしが、いい人とペアにさせてあげるから!」





「ペア?」





「図書室の当番表。あたしが考えることになってるから!」





そう言って千晶はにっこりと微笑んだ。





「本当!?千晶神ー!!!ありがとー!!!」





それからあたしは、ウキウキ気分で図書室に入っていった。
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