彼が涙を流した理由
すると、千晶が立ち上がった。





「3ーC中村千晶です。今年で3回目なのでだいぶ慣れましたーよろしくお願いしまーす」





やはり、千晶は1、2年の頃も優秀だったのか、少し余裕な雰囲気を醸し出していた。





「はい、次どうぞ」





千晶はあたしの肩をポンと叩いて座った。





くっそ……余裕組め…………





「3年C組、久保あさひです。えっと……今年が初めてで、まだ慣れないこともあると思いますが、よろしくお願いします」





“初めて”というと、周りが少しざわつく。





そりゃそうですよね……





あたしは静かに座って、うつむいた。





こんな恥ずかしい思いをさせられるなんて……





次々に自己紹介が終わり、今日の集まりは終わった。





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