彼が涙を流した理由
「はぁ……本当にダメだ」





「あさひ~大丈夫だって~」





あたしが落ち込んでいたその時、





「あのっ……!」





声をかけてきたのは、





「あぁ!裕之!」





出口君。





それに答えたのは、もちろん千晶。





仲、良いよね………まぁ、そうだよね、2年間一緒にいたんだし………





「あの、実はお願いがあって。今日の放課後の当番、僕と千晶ちゃんにやってほしいんだけど…」





「あー、ごめん!あたし、今日早く帰らなきゃいけないんだ……だから、」





そう言って千晶はバッとこちらを振り返り、





「あさひでもいい?」





「えっ!?あたし!?」





「あ、大丈夫ですか?」





「一応、大丈夫です、けど……」





そう言うと、出口君の顔が一気にパッと明るくなる。





断れない………





「わかりました………」








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