MIRROR-ЯOЯЯIM
ЯOЯЯIM
玄関の鏡の中に映る私の姿を見て、私は小さい頃に聞いたある話を思い出した。
「鏡の中に映っている自分っていうのは、本当は鏡の向こうに住んでいる自分そっくりの妖怪の姿なんだよ。」
あの話をしてくれたのは、一体誰だったのだろう? もう忘れてしまっていた。
「…って私、何考えてんだろ…。妖怪なんているわけないじゃん。何の根拠も理論もないんだし。迷信よね、迷信。」
自分自身に言い聞かせるように呟いたのだが、何故か鏡が気になってしまう。
もしあの話が本当なら…映っているこの妖怪は一体何なんだろう?
すぐに家を出ないと遅刻してしまうかもしれないという時間なのに、何故か鏡の前から足が動かなかった。
「そんなに気になるなら、行ってみる?」
「えっ…?」
後ろから声が聞こえたような気がしたが、後ろには誰もいない。
「空耳か…。」
「違うわよ。」
「えっ?」
再び後ろを向く。だが誰もいない。
「はぁ…。何なの、全く…。」
「何って…『妖怪』に決まってるじゃない。」
「…えっ…?」
その瞬間、何者かに押されたように私の体が大きく揺れた。私は倒れまいと鏡に手をついたのだが…。
「えっ、ちょっ…え?」
鏡の中に腕が入り込んでしまった。そしてそのままさらに体が押され、私の体は完全に鏡の中に入ってしまった。
これが、始まりだった。
「鏡の中に映っている自分っていうのは、本当は鏡の向こうに住んでいる自分そっくりの妖怪の姿なんだよ。」
あの話をしてくれたのは、一体誰だったのだろう? もう忘れてしまっていた。
「…って私、何考えてんだろ…。妖怪なんているわけないじゃん。何の根拠も理論もないんだし。迷信よね、迷信。」
自分自身に言い聞かせるように呟いたのだが、何故か鏡が気になってしまう。
もしあの話が本当なら…映っているこの妖怪は一体何なんだろう?
すぐに家を出ないと遅刻してしまうかもしれないという時間なのに、何故か鏡の前から足が動かなかった。
「そんなに気になるなら、行ってみる?」
「えっ…?」
後ろから声が聞こえたような気がしたが、後ろには誰もいない。
「空耳か…。」
「違うわよ。」
「えっ?」
再び後ろを向く。だが誰もいない。
「はぁ…。何なの、全く…。」
「何って…『妖怪』に決まってるじゃない。」
「…えっ…?」
その瞬間、何者かに押されたように私の体が大きく揺れた。私は倒れまいと鏡に手をついたのだが…。
「えっ、ちょっ…え?」
鏡の中に腕が入り込んでしまった。そしてそのままさらに体が押され、私の体は完全に鏡の中に入ってしまった。
これが、始まりだった。
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