MIRROR-ЯOЯЯIM
休み時間。

私の後ろの席に、大勢のクラスメートが駆け寄ってくる。

「ミシェルちゃん、後でメアド交換しよ?」
「あ、私も私も~。」
「ミシェルちゃん、英語教えてくれない?」

転校生というものは、どうやら人気が出るらしい。私も、ここに「転校」して来た時は、少しばかり人気者だった。

「Oh、そんなに一度に言われても困りマ~ス。」

しかも外国人だからか、何かを喋るたびに楽しそうな笑いが巻き起こる。

「ホワイトさん、ちょっと職員室に来て下さい。」
「Yes,wait a minutes.」

すると、ミシェルちゃんはどこからか、魔女が乗るためのほうき…ではなく、お掃除ロボットを取り出した。そして、それに乗って職員室の方へ向って行った。

「あれ? 魔女ってほうきに乗るものじゃないの?」
「ま、実際の魔女って見たことないからね~。日本にはいないから。」
「え? そうなの?」

ミシェルちゃんの席の周りに集まっていたクラスメートが、私の方を見る。

…ヤバい、魔女が日本にいないというのは、ここの常識だったのか…?

「え、いや、その…。」

まごつく私。どうしよう…。

その時、後ろで声がした。

「もしかしたら、いるかもしれないだろ?」

都樹だった。
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