MIRROR-ЯOЯЯIM
「はぁ…。」

放課後。まだため息が多い。

「どうした? 帰るぞ?」
「うん…。」

都樹に呼ばれ、ふらふらと席を立つ。色んなことが起こりすぎて、頭がパンクしそうだった。

「元気ないぞ?」

帰り道で聞かれる。

「だってさ…。」

言わなくても、何となく感じてほしかった。だが、現実はいつも、想像の斜め上を行く。

「お前さ…。」

都樹が足を止める。

「何一人で抱え込んでんだ?」
「え…?」

風が私の髪を撫で、過ぎ去って行く。都樹が振り向く。

「そうやって一人で抱え込んで、誰にも相談しないとか…。俺だったら気が滅入るわ。何で相談しないんだよ?」
「だって…。」

今頭を掻きまわしていることは全部、都樹には…言いづらい。言葉は、喉と口の境目辺りで止まった。

「…スゲーよな、お前。」

都樹が私の頭を撫でた。

「普通だったら誰かに相談したくなるのに…よくここまで一人で抱えれるよな。」

何だ、意外と都樹って優しい所あるんじゃん。私はそう思い始めていた。
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