MIRROR-ЯOЯЯIM
ゆっくりなのが、余計に怖かった。恐怖心があおられ、嫌な汗が背中を流れる。
今がいつなのか、ここがどこなのかも分からない状況で、私の人生が終わるかもしれない。
癒紀は何も持っていなかったが、後ろに見える九つの尾のうちの一つが、刃物に変わるというのは癒紀本人から聞いていた。…とは言っても、この尾は自衛官である父親からプレゼントされた護身用のものらしいが。
後の八本はどうなるのか、それは聞いていない。でも、そんなのは関係なかった。
癒紀が私のすぐ目の前に来た。
「さ~て…。」
縄で縛られているため、私の背後のドラム缶ごと小刻みに震える。
「どうやってやられたい? 前教えたやつで斬ってもいいけど、銃にしてもいいし、鋏んだり押しつぶしたり…色々あるよ?」
「…どれでもいい…。」
私はほぼ自暴自棄になっていた。
「それが一番困るの。」
「…早くして…。」
こんなマイナスだらけの人生、早く終わらせたかった。
ちょっとくらいプラスなこともあったにはあったけど、それでも、やり直したかった。
私の指は、どこかにある人生リセットボタンに触れていた。
「…じゃあ、斬ってあげる。多分これが、一番早いと思うから。」
「…。」
「一番、尾刃(ナイフ)。」
すると、癒紀の尾の一本の先が、刃へと変わった。
「…ちょっと待っててね。」
癒紀は、覚悟を決めたような声だった。
キラリと光る刃が、私の方に向けられた…。
今がいつなのか、ここがどこなのかも分からない状況で、私の人生が終わるかもしれない。
癒紀は何も持っていなかったが、後ろに見える九つの尾のうちの一つが、刃物に変わるというのは癒紀本人から聞いていた。…とは言っても、この尾は自衛官である父親からプレゼントされた護身用のものらしいが。
後の八本はどうなるのか、それは聞いていない。でも、そんなのは関係なかった。
癒紀が私のすぐ目の前に来た。
「さ~て…。」
縄で縛られているため、私の背後のドラム缶ごと小刻みに震える。
「どうやってやられたい? 前教えたやつで斬ってもいいけど、銃にしてもいいし、鋏んだり押しつぶしたり…色々あるよ?」
「…どれでもいい…。」
私はほぼ自暴自棄になっていた。
「それが一番困るの。」
「…早くして…。」
こんなマイナスだらけの人生、早く終わらせたかった。
ちょっとくらいプラスなこともあったにはあったけど、それでも、やり直したかった。
私の指は、どこかにある人生リセットボタンに触れていた。
「…じゃあ、斬ってあげる。多分これが、一番早いと思うから。」
「…。」
「一番、尾刃(ナイフ)。」
すると、癒紀の尾の一本の先が、刃へと変わった。
「…ちょっと待っててね。」
癒紀は、覚悟を決めたような声だった。
キラリと光る刃が、私の方に向けられた…。