MIRROR-ЯOЯЯIM
ИUЯ
癒紀が…ヤンキーとともに、倒れていた。

「癒紀!」

私は無我夢中で癒紀の元へ駆け寄った。

癒紀は重傷を負っていた。なのに、心配してくれたのは私のことだった。

「大丈夫…? ケガ…なかった…?」
「私は大丈夫だけど、癒紀…。」

私の声が震えている。

「…ゴメンね、理奈ちゃん…。」
「謝ることないって!」

悔しかった。自分のせいで、と思うと、悔しくてたまらなかった。

「そこに私のケータイあるから、押上くんに、電話してあげて…。」
「それより先に救急車でしょ!?」
「いいって、私のことは…。」
「よくないよ!」

一滴、また一滴と落ちていた涙の滴は、いつのまにか水流となっていた。

「何でそうやって自分のこと後回しにするの!? もっと大切にしなよ! 私ばっかり守られて…こんなの、嫌なの! 私だって、癒紀の役に立ちたいの!」

こんなことを言っている間にも、時間は流れて行く。救急車、呼ばないと。

私は癒紀のケータイを取り、素早く「119」の番号を押した。

十分後、救急車が来た。

担架に乗せられて運ばれていく癒紀の姿を、私はどこか遠い目で眺めていた。それは、もう癒紀とは会えないかもしれない、というのが分かっていたからなのか、そうじゃないのか。
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