MIRROR-ЯOЯЯIM
ИAMUH
「えっ…?」
「理奈、あれ…。」
「そんなに驚かなくてもいいわよ。もうそろそろ飽きてきただろうから、戻しに来ただけ。」
「飽きてきた…? それに戻しに来たって、何者なのよ?」
「私? 私は、本来こっちの世界にいるはずのあなたよ、現川理奈。」
「…どういうこと…?」

すると彼女は屋根から飛び降り、私達の目の前に来た。

「あなたをこの世界に来させたのは、私なの。鏡の中、気にしてたでしょ?」
「来させた…?」
「そう。私は私であなたが本来いるはずの世界に行って、少し遊ばせてもらったけどね。」
「遊んだって…私、変なことになってない?」
「大丈夫よ。こっちでのあなたの行動をコピーしてみただけ。そうしたら、押上都樹と付き合うことになっちゃうし、久尾癒紀は工場の爆発事故に巻き込まれるし、ハーフの転校生…名前長いから忘れちゃったけど、その子は二重人格だったし。」
「…。」
「おい。」

都樹が一歩前に出る。

「お前…どんな能力使ったんだ?」
「能力? そうね…。強いて言うなら、今そこにいる方の現川理奈の能力ね。」
「理奈の…!?」
「そうよ。あっちの世界での『妖怪』、こっちの世界での『人間』は、私じゃないの。私は、もともとあっちの世界での『人間』。」
「…ってことは…。」
「そこにいる現川理奈は、もともとこっちの世界の住人なの。」
< 50 / 56 >

この作品をシェア

pagetop