MIRROR-ЯOЯЯIM
都樹が爪を立て、ニセ私の方に向かっていく。だが、ニセ私はそれをひらりとかわした。

「それ、本気?」

するとニセ私は瞬く間に私のそばに来た。

「何のつもり…?」

私はニセ私に尋ねた。

「決まってるじゃない。あなたを使って、あっちに戻るの。そうしたら、自我を失っている押上都樹はどうすると思う?」
「…。」

答えは分かっていた。だけど、声が出ない。

「あなたの方を攻撃し始めるのよ。」

ニセ私は私の前に立ち、ニヤリと黒い笑みを浮かべた。

「じゃあ、しばらくいさせてね。」

もう、終わりだ。

妖怪のことについて人一倍知らない私が、この環境下で生きていけるわけがない。

「ゴメン…。」

都樹。

私、結局何も言えないまま、死んじゃうんだ。

都樹のこと、好きだったよ。

こんなに不器用で、都樹にも迷惑かけちゃって…本当、ゴメン。

私は、もう全てを受け入れる覚悟ができていた。
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