MIRROR-ЯOЯЯIM
目を閉じ、全てを受け入れようと心構える。

…だが、いつまでたっても予想していた痛みは来ない。

恐る恐る目を開ける。すると…。

「何ビビってんだ、理奈? お前を攻撃するわけないだろ。」

私の体に入ろうと何やら妖術を使っているニセ私を、都樹が取り押さえていた。

「都樹!」
「何だよ? 邪魔するな。」
「あ…。」

よかった。

姿はオオカミ状態だけど、中身はいつも通り、俺様で、でも優しい一面もあって。

いつもの、都樹だ。

「おめでと。」
「何がだよ?」
「ううん、何でもない!」
「ちっ、小賢しい…。」

ニセ私が、手の中で黒い球を作っている。

「私は、私だけで十分だ!」

その黒い球が、私に向かって放たれた。

「理奈!」

都樹が私の方に走ってくる。でも…。

「うっ…。」

間に合わなかった。私は激しい頭痛に倒れ、意識を失った…。
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