MIRROR-ЯOЯЯIM
「都樹…。」

都樹がいた。だけど、制服の着方が少し違う。

私の本来の世界の都樹だった。

「ん? 理奈、何かイメチェンした?」
「それはこっちのセリフだよ。」

そういえば、こっちでも都樹と付き合ってることになってるんだっけ…。

少し頭が混乱してきた。と同時に、あの世界が愛おしく思えてきた。

「…ねぇ。」
「ん?」
「ちょっと…鏡、見ない?」
「鏡?」
「うん。」

私達は、階段の中腹にある鏡を見た。

「何だよ、いきなり?」
「う~ん…。」

うまくいくかどうかは分からないが、私はもう一度、あの世界に行こうとしていた。

だけど…鏡の私は、いつまでも私と同じだった。

「はぁ…。どうしたんだよ、理奈?」

都樹が諦めて帰ろうとした、その時だった。

鏡の中の都樹が、口を開いた。

「おい、何勝手に他の奴の彼女になってんだよ、理奈。」

私は都樹の手を引き、鏡に思いっきり飛び込んだ。割れる音も痛みもなく、私達は鏡の世界に入ることができた。
< 56 / 56 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:6

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

コワレモノ―人類最後の革命―

総文字数/72,208

ミステリー・サスペンス120ページ

表紙を見る
阿倍黎次は目立たない。(12/10更新)

総文字数/15,922

青春・友情24ページ

表紙を見る
一夜くんとのアヤマチ。

総文字数/74,726

恋愛(学園)120ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop