ストーンメルテッド ~すべての真実~
プロローグ
ピッピッピッピッ......ピーーーーーー。
「翔君! 翔君?!」
......微かに、看護師さんの声が僕の耳に届いた。
目の前に広がる光景は、みるみるうちに消えてゆき、僕の目の中心から、真っ黒に塗り替えられていった。
全身の力が、すうっと抜ける。
頭の中が空っぽになって、僕は何も考えられなくなった。
......いや、何もかもをが、ではなかった。
食いに残ることが一つだけある。
それは、“あの人”のこと。
僕は助けることが出来なかったんだ。最後の最後だったのに、僕は何も出来ず......。
しかし、体は言うことを聞かなかった。