ストーンメルテッド ~すべての真実~
残り……03:15分
危うくカゲン、イヴまでもが意識を失うところであった。
身体をふらつかせながらカゲンはプリュークスの背から降りて、辺りを見渡した。
どうやら、自分らが落ちて来た場所は、アースガルズの辺境の地らしかった。
「なんだってこんなところに」カゲンは舌打ちしながら、気を失ったドラゴンを見下ろした。「役立たずドラゴンだな」
「いや、そんなことはない」
そう言ったのはイヴだ。
「なぜそう言える」
「ここはアースガルズの辺境の地だろう。ナキアはアース神族だったらしい。もう少し歩けば、ナキアを知る者が現れるやもしれん」
「なるほど。ただ、こんな森の中じゃあ、道に迷ってそれどころじゃない」
カゲンはそう言って、辺りの景色を眺めていた。
何処かしこも、巨大な木々に覆われた森の中。
この中を、何の策もなしに進めば、確実に迷子になり、最悪の場合、誰にも出会うことなく証拠も掴めずに、巨大なドラゴンを除けば手ぶらで帰ることになる。――少なくとも、カゲンはそう思っていた。
だが、足を止めるわけにはいかない。残り時間は刻一刻と迫っているのだ。
一人の青年と、お供の神獣は、ドラゴンが起きる前に、森の中を歩んでいった。
森の中は、湿った空気で覆い尽くされ、蝶やハエが飛び交っている。
ハエがカゲンの耳元へ近づいてきた。カゲンは眉間にしわを寄せて、ハエを手で追い払いながら、道なき道を進んでいた。
カゲンは、ため息をついて、
「どこまで進んでも森ばっかり……疲れてくるな」
一体どこまで進めば、人の居る場所へ出るのだろうか。異変が起こったのは、そう疑問にも思い始めた頃のことである。
身体をふらつかせながらカゲンはプリュークスの背から降りて、辺りを見渡した。
どうやら、自分らが落ちて来た場所は、アースガルズの辺境の地らしかった。
「なんだってこんなところに」カゲンは舌打ちしながら、気を失ったドラゴンを見下ろした。「役立たずドラゴンだな」
「いや、そんなことはない」
そう言ったのはイヴだ。
「なぜそう言える」
「ここはアースガルズの辺境の地だろう。ナキアはアース神族だったらしい。もう少し歩けば、ナキアを知る者が現れるやもしれん」
「なるほど。ただ、こんな森の中じゃあ、道に迷ってそれどころじゃない」
カゲンはそう言って、辺りの景色を眺めていた。
何処かしこも、巨大な木々に覆われた森の中。
この中を、何の策もなしに進めば、確実に迷子になり、最悪の場合、誰にも出会うことなく証拠も掴めずに、巨大なドラゴンを除けば手ぶらで帰ることになる。――少なくとも、カゲンはそう思っていた。
だが、足を止めるわけにはいかない。残り時間は刻一刻と迫っているのだ。
一人の青年と、お供の神獣は、ドラゴンが起きる前に、森の中を歩んでいった。
森の中は、湿った空気で覆い尽くされ、蝶やハエが飛び交っている。
ハエがカゲンの耳元へ近づいてきた。カゲンは眉間にしわを寄せて、ハエを手で追い払いながら、道なき道を進んでいた。
カゲンは、ため息をついて、
「どこまで進んでも森ばっかり……疲れてくるな」
一体どこまで進めば、人の居る場所へ出るのだろうか。異変が起こったのは、そう疑問にも思い始めた頃のことである。