ストーンメルテッド ~すべての真実~
しかし、この門、微かに扉が開かれている。ストーンが溶けていた影響で、薬の魔力が弱まったのだろう。

まさに、恐れていた自体である。

「さて、ジュノ。そろそろ、闇の精霊達をこの扉に戻してやりなさい」

やせ形の方の家来は、そう言った。

しかし、彼女は、眉間にしわをよせ、鋭く彼を睨み付けると、ムキになった口調で、言った。

「薬が必要だわ!」

「まあまあ、ムキにならんでも、ここにあるわい」

小太りの方の家来はそう言って、高価そうな毛皮のコートから小さな瓶を、小指を立てて、取り出した。

色は、深い緑色。確かにこの薬で間違えはない。

すると、もう一人の家来は、茨の手錠をするすると解いた。彼女の両手は軽くなる。

ジュノは睨みつけて、小太りの家来のゴツゴツした手から、瓶を乱暴に取り上げた。

まだ、この瓶は温かい。作り立てである事が良く分かる。

ジュノは、心が剥がれ落ちそうな気持ちを胸に閉じ込めて、目を固く瞑った。
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