フウセンカズラ
足取りが重い。
今日はわざと遅くに行く。
朝練が始まった頃に。

いつもの廊下にでる、
‥…なんで?‥…
そこには章くんがいた。

「よかった。
返信こないから心配したよ」
「ごめん。電源切ってた」
なに?女の子とカラオケ行った!って
自慢したいの?

「そっか‥」
なんでそんなに残念そうなの?
そんなに楽しかったの?

「カラオケ…楽しかった?」
「え?…あぁー」
あの笑顔で章くんは笑った。

「ねえ、ライン開いてみて?」
戸惑ったけど
恐る恐る電源をつける。
つくまでの時間が怖い。
< 18 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop