フウセンカズラ
バックからちっこいビンを取り出す
五センチくらいのもので
コルクで栓をしている。
その中に今日の朝とった種を
からんと入れる。
半分以上たまった種は
窮屈そうにしていた。
私の席は廊下側の後ろの方
だんだん廊下が騒がしくなってきて
なんだか落ち着かないから
グランドが見える
窓の方に行くことにした。
グランドには朝練をしている陸上部
「朝からよくあんなに動けるよなー」
きがつけば隣になな。
「ななも十分朝からテンションたかいよ?」
「それはやすの声聞いてたから!」
ふーん。とグランドに目をやると
100m走るのか
7人ずつ並びだした。
パンっていうピストルの音とともに
さいしょのメンバーが走り出す
その中に一人。
ひとりだけ。
特別に早いって訳じゃない
でも人の目を引きつけるような
きらきらしたものがあった