フウセンカズラ
「優菜もう帰るの?」
「今日iPhoneカバー届くでしょ!」
「あっ!そうじゃん。ななも早く帰ろー!」

今日はななとおそろで買った
iPhoneカバーが届く。
私は緑
ななは青
∞って入ってて可愛いの。

廊下をななと駆け足で進む。

人混みだけど
ななが手を引っ張ってくれてるから
安心できる。
と思ってたのに‥。
手が勢いで離れた。
同時にドンと人にぶつかってしまった。

こういう時スローモーションにみえるって
本当なんだね。

バックから筆箱やポーチが出ていく。
バックから出ていったものも
自分もふわあって。

でもそれは急に止まった。
自分だけ。
バックからでたものは
音をたててそのまま落ちた。

私を支える腕は
日焼けしていて筋肉質。

「大丈夫?」
優しさに包まれたような声。

上をみると顔立ちは爽やかで
ほわっとした笑顔。
見た目と声だけでわかった。
優しい人なんだなって。

‥‥‥。あの人だ。

「陸上部の‥」
思わず声が漏れた。

「何で知って
「あ!すみませんでした
私急いでるんで失礼します」

恥ずかしくて彼の声を遮る。

周りに落ちたものを拾い
彼に頭を下げ
なながいる方へ向かった。
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