my fliend
でも、やっぱり優しい子みたいで、
咳のひどい私を、心配そうな表情で
おろおろしてくれていた。

だけど、問題は右隣の男子。
ちょっとぽっちゃりして、背は低いみたいだ。

そいつは私が咳をしていると、
私の反対の方に足を運んで、迷惑そうなそうな表情をしていた。
めっちゃ嫌そうにしてた。めっちゃウザそうだった。

私はそのときめちゃくちゃ必死だった。
初日からこんなんで、浮いてる奴と思われたくなかった。
ただそれだけで、咳を止めようと精一杯になっていた。

****

やがて始業式は終わった。

あぁ・・・。最悪だ・・・。

男子に嫌な奴と思われるなんて・・・。
それに浮いてると思われた。周りの人に。
まだ仲良くしようと
思ってくれていたかもしれない人達に。

「春」

この声。聞き慣れたこの声。
私はすぐに釘を右回りさせて、声の主を見つける。

「美柚!」

嬉しかった。本当に感動だった。
会いたかった。心細かった。

みんなは、親友って言っても、
そんな大げさなモンじゃないだろうと
思ってるかも知れない。

だけど、私にとっては、かけがえのない、
大切な友達なんだよ。
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