やっぱりあなたの事が好き
やっぱりあなたの事が好き

冬のある日――…


仕事を終えた私は、高校からの友達の莉子(りこ)と、ご飯を食べに行く約束をしていた。

待ち合わせ場所である、駅前のショッピングビルに向かっていると


「おっねぇさーん!」


後ろから男の人に声を掛けられる。


はぁ……、またか。


私は、街の中心に近い所に住んでいる。

そして、そのショッピングビルの辺りは若い人達が多い。

帰る時、いつもこの道を通らなきゃいけない私は、こんな風によく声を掛けられる。


自分で言うのもなんだけど、正直、スタイルはいい方だと思う。

ただ細いだけじゃなく、くびれもちゃんとあり、それにそこそこ胸もあって、女性らしい体型をしている。

そう、スタイル“だけ”はいいの。

だから、期待して、こんな風に声を掛けてくるのだろうけど……


振り返れば


「あっ、ごめん。間違ったわ……」


いつも“しまった!”って嫌そうな顔をされる。


そう言われる度に

“何を間違ってん!”

って、毎回、言いたくなるんだけどね。



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