やっぱりあなたの事が好き
“ブス”なのは認めているけど、自分の見た目にコンプレックスを持っている私は、合コンとか紹介という名の食事会は嫌いだった。

そんな私も、一度だけ合コンに行った事がある。

それは、私の事を誘った子が自分を良く見せる為に、私を引き立て役に使いたかったから、私を誘ったのだった。

その事は、行ってから気付いたのだけど……

それに、その合コンの時、相手の男の人達に「アイツ、ハズレや」って言われていた。

それも、コソコソ話しているけど、聞こえるくらいの声の大きさで。


そりゃ、私は“ブス”やけど、わざわざ言わんでもいいやん。


それが嫌で、それからは合コンや知らない男の人が一緒に居る食事会は、誘われても断っていた。


だから、私のコンプレックスや、合コンなどが嫌いな理由を知っている莉子は心配してくれている。

まぁ、これは、合コンとはまた違うけど。


だけど、


「別にいいやん。なぁ、大村!」


なんて、間宮は強引に話を進めようとしている。


そんなにしつこく言ってくるっていう事は……

間宮、莉子の事、気に入ったんかな?


“好きだった人”

過去の事になっていたはずなのに。

莉子は可愛いから、そう思う事も普通な事なのに。

私は胸がチクっと痛くなる。


なんで?

なんで、私、胸が痛いんやろう……


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