やっぱりあなたの事が好き
「私は大丈夫やって！慣れてるから。だから、そんな顔せんとって？
それに、私、今日初めて“可愛い”なんて言ってもらえてんで？それだけで、今日はみんなでご飯食べてよかったよ！」


私は莉子を見て、にこっと笑う。

莉子は賢太の事、気になっているから、最後の一言は言うか迷ったけど、でも、“可愛い”なんて言われたのは初めて。

嬉しかったのは事実だから、素直に言葉にした。


「美穂がそう言うなら、よかったけど……。あっ、もしかして賢太の事、好きになった？」


そう言いながら、莉子はにこにこと笑う。


「いやいや、それはないって」


私も笑って返す。

莉子が気になっている人だから、ってわけじゃないけど

私が誰かを好きになっても、相手は嫌がる

そう思っている私は、間宮を好きになって以来、誰かを好きになる事はなかった。

だからって、今も間宮の事が好きってわけではないけど。


「なぁーんや。高校ん時から美穂から“好きな人出来た”って話聞かんかったから、もしそうやったら嬉しかってんけどなぁー」


残念そうな顔をしたと思ったら


「あっ……」


莉子は私の後ろを見て固まる。


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