やっぱりあなたの事が好き
「えっ!?なっ……、何?」


立った瞬間、私は間宮に腕を掴まれた。

私はドキドキしながら、間宮を見る。


すると――…



「俺……、大村の事、可愛いって思ってんで……」



間宮は私から視線を逸らし、だけど、私の腕を掴んだまま小さな声で、そう言った。


えっ?

今、何言うた……?


その瞬間、私の頭は真っ白になる。

私は気持ちを落ち着け、考えた。


今、小さい声やけど

“可愛い”って言うてくれたよな?


間宮の言葉を思い返していると、私の顔が赤くなるのがわかった。


同じ男の人でも、賢太に言われたのよりもすごく嬉しい。


でも、ちょっと待って?

間宮が私の事、可愛いって?

そんなん絶対ウソや!

だって間宮は中学の頃、私の事“ブス”って言ってなかった?


さっきまで喜んでいた私は、冷静になってきて、中学の時の記憶が頭を過ぎり、素直に喜べなくなった。


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