やっぱりあなたの事が好き
中学3年のある日――…


同じクラスのヤツが


「大村がさ、間宮の事、好きなんやってぇ。お前さぁ、コクられたらどうするん?」


なんて言ってきた。


えぇっ!?

大村が俺の事好き?


俺は、心の中ですごく喜んでいた。


だけど、大村はみんなから“ブス"と言われている。

そんな大村の事を“俺も好き"なんて言ったら、絶対からかわれる!

それが嫌で


「そんなん、付き合うわけないやん。いややわ、あんなブス」


俺は心にもない事を言ってしまった。


「そうやんなぁ!大村、悪いヤツじゃないねんけど、あんな“ブス"嫌やんなぁ」


クラスのヤツは、あはは、っと笑っていた。


ってか、そんな“ブス、ブス”言うなや!


俺はクラスのヤツにムカつきながら、そして、あんな風に心にもない事を言ってしまった俺だけど、本当はすごく嬉しく思っていた。


俺、大村と両想いなんや……


だけど、その話をクラスのヤツから聞いた位から、大村は俺を避けているような気がした。


なんでや?

大村、ホンマは俺の事、何とも思ってへんのかも……


“大村と両想い”

そう思ってすごく嬉しかった。

だけど、避けられている事がすごくショックだった。

そして俺は、卒業まで、何でかわからないまま、大村に避けられ続けた。


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