やっぱりあなたの事が好き
中学を卒業してからも、俺の心の中には大村がいた。


大村は俺の事を避けていた。

だから、きっと俺の事なんて何とも思ってないんだろう。

いや、あんなに避けられていたって事は、俺の事、嫌い?

嫌われているかもしれない。

だからって、俺は大村の事を嫌いになる事は出来なかったし、忘れる事も出来なかった。


高校や大学でいろんな女の子と知り合い、告白されたりもした。

そりゃ、俺だって男だし、そういう事だってしたい。

だから、付き合ったりもしたけど。

でも俺は、その女の子達に心から惹かれる事はなかった――…





大村の友達の莉子ちゃんが、俺達の所に来たのと同時くらいに、賢太も俺達の所へ歩いてきた。


「はじめまして。俺、大村の同級生の間宮光司。で、こっちは大学の友達の矢野賢太」


俺は、莉子ちゃんに自己紹介をしてから賢太を二人に紹介した。

そして、その後、大村と莉子ちゃんを賢太に紹介した。


「なぁ、今、大村とも話してたんやけど、一緒にご飯食べに行かへん?」


俺は莉子ちゃんと賢太に向かって言った。

すると、大村と莉子ちゃんは二人でコソコソ話し始める。


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