やっぱりあなたの事が好き
「なぁ、賢太はもいいやろ?一緒にご飯行っても」

「まぁ、いいけど。ってお前、あの子の事好きなん?」


賢太はさらっとそんな事を言ってきた。


「えっ!?あの子?」


俺が慌てていると


「えっと……、美穂ちゃんやっけ?そう呼ばれてた方」


賢太がさらっと大村を下の名前で呼んだ事に対し、俺はムカつく。


「はぁ!?違うわ」


そして、やっぱり素直になれない俺。


「ふーん。別にいいけど」


なんか、賢太に見透かされてる気がする……


「なぁ、大村ぁ。行こうやぁー」


俺は、賢太の視線を逃れるように二人に話し掛ける。


「うるさいなぁ、わかったよ。一緒にご飯行こうや」


大村はやっとOKしてくれた。


「じゃっ、行こっか!」


でも、素直になれない俺は、そう言うと莉子ちゃんと並んで歩き出した。

だって、大村と隣に並んで歩いたら、緊張して何を話せばいいかわからなくなりそうだから。

俺が前を歩いていると、大村と賢太が後ろで楽しそうに話している声が聞こえる。

俺が自ら、大村じゃなく莉子ちゃんの隣で歩き出したんやけど、後ろがすごく気になる。


俺は、後ろを気にしながら、居酒屋に入った。


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