やっぱりあなたの事が好き
「さっき言ってた友達?」


そんな誰が見ても可愛い莉子を見て、間宮は嬉しそうな顔をしている。


どうせ、私は“ブス”ですよ。


心の中で、そう呟く。


「誰ー?」

「中学の同級生」


そして、私は間宮を無視して、莉子の質問に答える。


「はじめまして。俺、大村の同級生の間宮光司。で、こっちは大学の友達の矢野賢太(やの けんた)」


間宮は笑顔で莉子に話し掛ける。

いつの間にか、間宮の隣に男の人が立っていた。


間宮の見た目は可愛い系で、ちょっとやんちゃな男の子、って感じ。

そして、その矢野って人の第一印象は、そんな間宮とは正反対で、大人でクールな感じに見えた。


間宮は、その矢野って人に


「こっちが同級生の大村で、こっちが莉子ちゃん……、でいいんだよね?」


莉子は、コクンと頷く。


「なぁ、今、大村とも話してたんやけど、一緒にご飯食べに行かへん?」


なんて、間宮は勝手に話を進めようとしていた。


「えっ?美穂、いいの?大丈夫?」


莉子は心配そうに私を見る。


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