クロスストーリー
「んー…たしか特待生は学園内だとお金かからないって言ってたよな。」

時間がなかったものの、異世界人にとっては死活問題だったのでそこだけはルゥに念押しして聞いておいた。
それによると歴代の特待生がほとんど何かしらの成果を残しているため学園内の買い物なら支払免除になっているらしい。
もちろんこれは学園内だけの話で門の外側にある街なら代金は発生するらしいが。

「時間は…まだ七時半か、下に行ってみるか。」

尾を振るユナに「待ってて」と告げるとカミヤはプレートを持って下に降りた。



「ここか?」

一階のエントランスで近くに店はないかと聞いてみると、幸運にも徒歩圏内にあるらしい。
青い屋根の大型な建物…と言っていたからここに間違いないだろう。

「大きな…ってのは縦長なのね」

太めの灯台みたいな、独特のフォルムは何となく可愛くて、写真を撮りたくなったがカメラを持っていないので諦めた。

「いらっしゃい。」

壮年の店主が笑顔で迎える、店長だろうか?

「えーっと…食品と…あとペットのえさってありますか?」

「ペットのえさは3階、食品はここにあるよ。」

とりあえずユナの餌から探してみるか。

店内にいくつかある螺旋状の階段を登ると二階は生活用品を売っているらしい。
だがとりあえず用はないので三階を目指した。
< 36 / 63 >

この作品をシェア

pagetop