クロスストーリー
「きつねの餌―…あんのかな?」

キョロキョロ探して回るが犬猫はあっても狐は中々ない。
しかたないのでドッグフードをいくつか見繕い、籠に入れていく。

「…ま、似たようなもんだろ」

他に皿や首輪を買って、とりあえずいいかと下の階に戻った。

一階は保存食やレトルトがメインなものの、一応生鮮食品も扱っているらしい。
さっきとは違い、手慣れた様子で次々と籠に詰めていく

「とりあえず水とすぐに食べれるものとー…なんだこりゃ?グミか?…入れとこ。」

これでプレートが使えなければ話にもならないのだが、内心冷や汗をかきながら店主に渡すと少し驚いた表情をした後問題なく会計は終わった。

「ありがとう、また寄ってください。」

…心なしか店主の話し方が変わった気がするが、とりあえず帰り道を急ぐことにした。



「ふぅ…ちょっと重い…あれ?」

大きな買い物袋をいくつもぶら下げて帰路を急いでいると、見覚えのあるシルエットが見えてくる。

「ルゥ?どうしたん?」

「…別に。」

相変わらずそっけないツンとした表情でソッポを向くが手に持っている荷物に気づいた。


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