クロスストーリー
「…それ、さっき言ってた羅針盤か?」
小柄な彼には少々大きめの紙袋から少しだけ顔を除かせるそれは、何かの甲殻を加工して出来ているような、不思議な色をしている。
「そ、一応『約束』したからな。」
“開けろよ”と言わんばかりにこっちを見ながらノックする様子にカミヤは急いで駆け寄ると、プレートを使い扉を開ける。
「なんだぁ?なんもないんだな。」
「仕方ないだろ、今日来たばっかなんだから。」
少しだけ恥ずかしそうに頭を搔くと、まだ真っ新な部屋を通り過ぎて自分が寝ていた部屋に向かう。
「キュキュ?」
「狐?」
「あ、忘れてた…ルゥ、ちょっと待って。」
買っておいた皿に餌を入れると、匂いで解ったのかユナはすぐに飛びついた。
カツカツと餌を食べる様子を見てホッと胸を撫で下ろす。
…ドックフード食べるんか狐って。
「…いいか?じゃあ説明するぞ。
まずこの羅針盤で必要なのは水とナイフだ。」
「水?」
丁度水は買っておいたので十分にある。
ナイフは…まぁ持っていたのでもいいだろう。
小柄な彼には少々大きめの紙袋から少しだけ顔を除かせるそれは、何かの甲殻を加工して出来ているような、不思議な色をしている。
「そ、一応『約束』したからな。」
“開けろよ”と言わんばかりにこっちを見ながらノックする様子にカミヤは急いで駆け寄ると、プレートを使い扉を開ける。
「なんだぁ?なんもないんだな。」
「仕方ないだろ、今日来たばっかなんだから。」
少しだけ恥ずかしそうに頭を搔くと、まだ真っ新な部屋を通り過ぎて自分が寝ていた部屋に向かう。
「キュキュ?」
「狐?」
「あ、忘れてた…ルゥ、ちょっと待って。」
買っておいた皿に餌を入れると、匂いで解ったのかユナはすぐに飛びついた。
カツカツと餌を食べる様子を見てホッと胸を撫で下ろす。
…ドックフード食べるんか狐って。
「…いいか?じゃあ説明するぞ。
まずこの羅針盤で必要なのは水とナイフだ。」
「水?」
丁度水は買っておいたので十分にある。
ナイフは…まぁ持っていたのでもいいだろう。