クロスストーリー
「キュー・・・キュ!?ギュゥー!!キューン!!」

「Σあ゙痛!?うわ!?ヤメロって馬鹿悪かったから!!」

カミヤが部屋から出て行った後、残された子狐はしばらく眠っていたのだが人の気配が無くなって眼を覚ました。
その後部屋の中を捜しまわるも見つからず、置いてけぼりにされたことに気づくと暴れまわり、とうとう疲れ果てて寂しく丸まっていたのである。

「ゴメンって、もう行かないからさ…ちょっとベッドにこいつ運んだら構ってやるから待ってな。」

「…キュ?」

自分の知らない人間を見て、子狐は不思議そうな表情を浮かべていた。
小一時間ほど前まで自分が寝ていたベッドに少年を寝かせると空いたスペースに座って自分も止血する為、足元の子狐を弄りつつ着ていた服を脱ぐとそれを首に巻き血止めをした。
押さえながら洗面所へ向かうと、幸い水道はもう通っていたし応急セットも見つかったので問題はなさそうだ。

「キュゥ~…」

-翌朝-

「ん?うーん…。」

白塗りの壁が照らされた頃、銀髪の男は眼を覚ました…が

「うぉああああ!!?」

「Σんぁああああ!!!?」

「Σキュー!!?」

気持ちよく眠っていた二人と一匹は突然の大声に飛び起こされた。

「な、な…なんでアンタがここにいるんだ!?」

「ここって…家主は居て当たり前だろ、まだ五時じゃねえか…寝よ。」

そう言ってカミヤは再びベッドに倒れこもうとするのだがその体は再び起こされる。

「起きろ!なんで俺を部屋に泊めた!?それに…この傷も!!」

「…なんでそんな慌ててるんだ?」

未だ覚醒しないカミヤを見て銀髪の男は少し落ち着き始めたのか、それとも今の質問が確信を突いていたのか、男は口を噤み息を整え再びカミヤを見た。

「アンタ…俺がなんだか知らないのか?」

「知らねえよ、そんなもん。」

この言葉に銀髪の男は眼を見開くのだが、カミヤが記憶を失っている事を知ると不機嫌そうに肘をつく。

「じゃあ教えてやるよ、俺は…
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