クロスストーリー
「………。」

「…わかったか?俺はあんたみたいな特待生といられるような…」

「いや…話は解ったんだけどさ…」

話を遮ってカミヤは銀髪の男を見る。

「まずお前の名前はなんなんだよ?」

「ハ?俺?俺の名はー…」

そこで男は気がついた、自分が名前で呼ばれる事の無かった事を。
それがいつからだったのか、もう忘れてしまうほど昔のことだった事を…。

「あ…えっと…。」

「どうした?」

「俺は……」

『貴方の名前は?』そのたった一言が男にとってどれだけの意味を持つのか。
同じ『話を聞いた人』でも学園長とは全く違うカミヤの結論。
それは男の過去など関係ないような、対等だと向ける眼が答えていた。











「俺は…ラック・フェイトレンダー」
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