中毒ポリシー
さっきあたしがされたみたいに、思い切り廉の肩を引っ張ってその頬に掠めるだけのキスを落とした。
「廉の…わからず屋、大嫌いだ」
お願い、気付いて。こんなにも好きになってるあたしがいる。
「…知ってるっての」
静かに、そして微かに笑っている廉がいた。
「知ってるって…」
「好きじゃなきゃ言う事なんて聞かせねえよ。それに…お前も聞かねえだろ?」
…確かにそうだ。苦しかったけど本当に、心の底から嫌でも嫌いでもなかった。
「俺、優しくできねえけどいい訳?」
…優しくできないって……。
「い、いいよ?」
君が傍にいてくれるなら、もうそれだけでいいや。
きっと今のあたしは君中毒だ。
いないと生きていけない、生きていきたくない。
もうなんでもいい。傍にいれるなら、傍にいてくれるなら。
それだけで十分。
「後悔してももう知らねえから」
「それくらいわかってる」
甘くて、そして悪戯なキスを落とす君。
大好き、大すき。
こういう気持ちって、思えば思うほど強くなる。
切なくて、辛くて…でもそれ以上に甘くて溶けてしまいそうになる。
ね、君が意地悪なのはよく知ってる。
ううん、知りすぎてる。