【完】私の彼氏は転校生。
「……あれ? 立夏、あたしのシャーペン知らない?」
教室の出入り口で舞を待っていると、舞が問いかけてきた。
「えっ? 知らないけど……どうしたの?」
「なんか最近、どんどん持ち物が無くなるんだよねー……」
「そうなんだ……私も一緒に探――」
「立夏ちゃーん! 一緒に帰ろーっ!」
すると、花恵ちゃんが1年B組の教室から出てきて走ってきた。
「……あ……ごめんね花恵ちゃん、ちょっと探し物してて……」
「……私より探し物の方が大事なの……?」
すると、花恵ちゃんは涙を一粒流した。
「えっ、ちょ……泣かないで花恵ちゃんっ……ま、舞ごめんね、花恵ちゃんと帰る……」
「えっ、ちょっ、待ってよ立夏ー!」
花恵ちゃんは私の手を引っ張って、学校から出た。
「……立夏ちゃん、あんな子はほっといて私といようよ」
え……?
「私、この前聞いちゃったんだー、『立夏はあたしにべったり、もう疲れた』……ってね」
「そ……そんな……! 舞はそんな子じゃないよ!」
「立夏ちゃんもあの子の味方するの?」
……!?
「あの子の味方するなら私、立夏ちゃんと友達やめる」
「……えっ、待って花恵ちゃん……!!」
花恵ちゃんはそう言って走っていってしまった。