【完】私の彼氏は転校生。
「――誰って……まさか、記憶喪失……!?」
「……そうらしいな……。君の名前は尾崎立夏。俺の名前は藤野悠太、立夏の元カレで、今は友達だ」
「あたしは雪野舞、立夏の親友だよ!」
「私は本田一穂、立夏の友達」
「あたしは斎条有理、立夏の友達よ」
「……俺は朝田遼斗、立夏の友達だ」
「俺は滝川健吾、立夏の彼氏だ」
――彼氏……?
私、彼氏なんていたんだ……
みんな、少し見覚えがあるけど……
「――で、私はなんでここにいるの? そもそもここはどこ?」
「ここは兎乃高校の保健室よ。立夏が資料室で倒れたって聞いて、行ってみたら本当に倒れてて……」
……何が起こったのか――全然わからない。覚えていない……。
「……一応、立夏のお母さんの所に行って、何が起こったのかをきちんと話そう」
私達は私……立夏の家に向かった。