【完】私の彼氏は転校生。
「尾崎さん、頑張って!」
私はバトンを持って走り出した。
――あと……もう少し……!!
そう思ったとき、後ろから走ってきた男子にぶつかってしまった。
――ズザァッ……
左肘と膝を擦りむいてしまい、血が出ていた。
痛い……でも、まだ走りきってない……バトンを早く次の人に渡さなきゃ……!
私はゆっくりと立ち上がり、足を軽く押さえながら次の人にバトンを渡しにいった。
「――立夏!! 大丈夫!?」
健吾が私のところに走ってきた。
「……保健室に行こう」
「うん……」
そういって立ち上がったとき、私の前にさっきの金髪男子がきた。
……あれ?この人って……まさか……
「……俺が連れていく。俺が怪我させちゃったし」
やっぱり!学年1のモテ男子、神城大河(しんじょう たいが)君だ!!!
「……え……でも……」
「俺が運ぶ」
「……。あぁ、……わかった」
私は神城君に支えてもらいながら保健室にいった。