【完】私の彼氏は転校生。
〜立夏side〜
健吾は退場したあと、すぐにA組の観客席に走ってきた。
「「「「「滝川! すごいなお前!!」」」」」
クラスの皆が健吾を胴上げしている。すると、悠太がこっちに歩いてきた。
「……滝川、お前……すげぇな。1周差がついてたのに。交渉のことだけど……俺の負けだ」
……ほぇ?
交渉??
「健吾、交渉って……??」
「藤野が並んでるときにいってきたんだ。『俺が勝ったら立夏をもらう。お前が勝ったら俺は立夏を諦める』って」
えっ、いつの間にそんな交渉を……って、今いってたか。
「ていうか、悠太まだ私のこと諦めてなかったの?」
「あぁ、だって立夏可愛いんだもん」
悠太はそういって肩を組んできた。
「……!! 立夏、ちょっとあっちいこう」
私は健吾に腕を掴まれて立ち入り禁止の体育館裏に行った。