【完】私の彼氏は転校生。

〜立夏side〜


健吾は退場したあと、すぐにA組の観客席に走ってきた。


「「「「「滝川! すごいなお前!!」」」」」


クラスの皆が健吾を胴上げしている。すると、悠太がこっちに歩いてきた。


「……滝川、お前……すげぇな。1周差がついてたのに。交渉のことだけど……俺の負けだ」


……ほぇ?


交渉??


「健吾、交渉って……??」


「藤野が並んでるときにいってきたんだ。『俺が勝ったら立夏をもらう。お前が勝ったら俺は立夏を諦める』って」


えっ、いつの間にそんな交渉を……って、今いってたか。


「ていうか、悠太まだ私のこと諦めてなかったの?」


「あぁ、だって立夏可愛いんだもん」


悠太はそういって肩を組んできた。


「……!! 立夏、ちょっとあっちいこう」


私は健吾に腕を掴まれて立ち入り禁止の体育館裏に行った。





< 213 / 251 >

この作品をシェア

pagetop