【完】私の彼氏は転校生。
「でさー、立夏のこと……どう思う? 瑞菜は男好きっていっていたけど……」
「うん……昨日のはちょっとヤバすぎるよね。……それに、立夏が男好きなわけないし」
「よく先生に言わないでいられるよね、立夏ちゃんは……。私ならもうとっくに不登校だよ……」
「パソコンで調べたんだけど、見て見ぬふりをすることも立派ないじめで、いじめられてる子にとって1番悲しいことなんだって」
「……ねぇ、瑞菜に立夏へのいじめを止めるように訴えようよ!」
――!!舞……有理……花恵ちゃん……!!
「うん、そうだね!」
そして3人はトイレから出ていった。私は3分後に教室に戻った。すると、クラスメートはなにも嫌がらせをしてこなかった。
……有理達……本当に訴えたんだ……
私は自分の席についた。すると、健吾、有理、花恵ちゃんが私の前にたった。
「……立夏、ごめん。守れなくて……助けられなくてごめん。俺、立夏の彼氏なのに……俺達……福井が怖くて逆らえなくて……本当にごめん」
健吾達は私に頭を下げてきた。何回も……何回も謝ってきた。その次の休み時間には、福井さんがきた。彼女は不機嫌そうな顔をしていたが、私に頭を下げて謝ってきた。私は許してあげた。
――でも、私の心の傷は治らない。彼氏にも……友達にも裏切られたこの痛みは、誰にもわからない。実感しないとわからないもの。
本当に福井さんを許してよかったのかな……
私はこの事がずっと頭の中に残り、モヤモヤしていた。今日は一人で食堂にいった。
「……あれ? 尾崎?」
後ろから声をかけられて、振り返ると大河くんがいた。