【完】私の彼氏は転校生。
夕陽の光が射し込む第二美術室に入って、窓から校庭で部活をしているテニス部を眺めながら呟いた。
「話すなって言われたって……」
呟いていると、部室のドアが開く音が聞こえた。
「あれ、立夏ちゃん? どうしたの??」
そこには、同じ美術部の同級生の綾瀬 遥(あやせ はるか)がいた。
「遥ちゃん……」
「うん、どうしたの?」
……いや、待てよ。以前この子に秘密を打ち明けたとき、みんなに広めたよね……
言わない方がいい。
「ううん、なんでもない、ちょっと頭いたいから部活休むね!」
そういって私は鞄を持って家に帰った。