音のない恋
何年何組だろう。
学校に来て
靴を入れるついでに探してみる。

さとうみか…さとうみか…さとうみか…

“一年二組十五番 佐藤実花”

後輩か。通りで知らないわけだ。

カタ カタ カタ
ローファーの音。

「あー!ごめん」
実花が申し訳なさそうに
こっちを見ていた。

彼女はまた
俺に頭を下げると行ってしまった。

声聞いてみたいな。
実花はどんな声を出すのだろう。
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