音のない恋
実花は、はあ…と息を出すと
ポケットからメモ帳とペンをだし
何かを書いて押しつけてきた。

“耳が聞こえないからバカにしてたの?
口元見たらだいたい
何言ってるかわかるんだからね
面白そうってなに?
そういう人たちばっか。大嫌い”

“大嫌い”
文字から苛立ちが伝わる

「実花…
信じてくれないと思うけど誤解だよ。
面白そうってのは
今まで耳が聞こえない人と
会ったことないから
仲良くなりたいってことなんだ」

わかりやすいように
ゆっくり話すのを心がける。

“信じない”

そう書いて俺にみせると
実花は行ってしまった。
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