SKY GIRLとCOOL MEN
車から降り、うずくまっている何かの方へ歩み寄った。
「誰か助けて……っ、誰かぁ」
少女だった。
助けを求める声が聞こえ、スーツが汚れるのも気にせずにその少女を抱きかかえた。
どうしてかはわからないけど…そうしなきゃいけない気がしたんだ。
気ぃ失いかけてるんだけどどんだけ長い間歩いてたの…ってこの子、えっ!
まさかこんな形で再びこの子に会うことになるとは思わなかった。
こんな状況なのに口元が緩んでしまう。
「ねぇ、大丈夫?家はどこ?送ってってやるよ。」
少し呑気に聞こえただろうか。
するとこの子はうっすらとまぶたを持ち上げた。
俺の顔を見ようと焦点を合わせるが、諦めたのか一瞬躊躇いながらも
「ここ…曲がって先…の"PINK"って、マンション…801…です。」
そう言った。
PINKって中々なとこだけど。
「りょーかい。」
そう答え、車の後方へと寝かせると暖房が良く効いていたせいかゆっくりと瞼が落ちていった。