タイトル未定
出会い
秋の少し肌寒い風。
10月末―
私は、春に高校を卒業したばかりの
フリーター。
18歳。
名前はりこ。
家族は母と高校生の弟です。
父と母は私が小学生の頃に
離婚しました。
私はそんな両親をたまに
「憎い」そう感じます。
高校を卒業したばかりの頃は
隣の県の医療系専門学校に
通っていました。
医療に携わる仕事をすることが
小学生の頃からの夢でした。
しかし、学費や通学費などは
バカになりません。
父親は私が高校を卒業した頃に
再婚しました。
再婚相手の尻に敷かれ
養育費を払なくなりました。
その結果、奨学金だけでは
まかないきれず
私は学校に通いながら
夜中までバイトをしていました。
居酒屋のバイトと
たまに、高時給の水商売のバイト。
水商売は嫌いでした。
楽しくもない話を聞き、
未成年なのにお酒を飲まされ、
行き過ぎたボディタッチをされる。
それでも、私はニコニコと笑って
接客をしていました。
そんな生活をしているともちろん
勉強はついていけません。
二日酔いや睡眠不足は
当たり前でした。
しかし、バイトをしなければ
学校へは通えません。
そうしていると、自分の夢なんて
きれいサッパリ消えて行きました。
ただ、思うのは父親と母親が
離婚しなければ
私はもう少し楽にしたいことが
できたのではないか。
それだけでした。
離婚の理由は
一緒に居てもつまらないから。
そんな意味のわからない
説明だけでした。
きっと、私には言えない
たくさんの理由が
あるのだと思います。
それでも、ふたりのしたことは
私や弟の未来の可能性を狭めました。