涙のち晴れ
これといった大きな喧嘩もしたことはないし
何かあればすぐに駆けつけてくれた。
本当に藍にはもったいないくらいの彼氏。
天気は快晴だが、まだ少し肌寒さが残る5月。
啓二と藍は思い出の海辺に来ていた。
「わー。ひっさびさ!」
「だな」
「・・・ふふ」
「どした?」
「ここに来るといつも、あの日のこと思い出すの」
「それいい加減忘れろよー!」
5年前の今日。
顔をりんごのように赤くしながら
藍に告白をした啓二。
偶然にも両想いで、そこから成立した2人の関係。
お互い付き合うのが初めてで
2人で見る景色や、一緒に過ごすことができるのが
こんなにも幸せなんだと実感した。