臆病者達のボクシング奮闘記(第三話)
はかどらないテスト勉強
 水曜日、三年生の石山と兵藤は、国体の全国大会で開催地の県へと出発した。梅田も県の副監督として動向である。


 金曜日はスパーリングがあった。

 有馬と康平は、萎縮した前回のスパーリングと違って、果敢に先手でパンチを繰り出す。だが、打ち終わりに先輩のパンチを貰うシーンが多かった。


 白鳥はガードを固くして積極的に前へと出る。今回は最初から打ち合いになるが、腰高で単発の彼は、大崎からボディーブローを度々貰っていた。


 健太は相変わらず踏み込みのいい攻撃で攻める。クリーンヒットを与える事は無かったが、思い切りのいい左ストレートと左ボディーブローで、度々森谷を脅かした。


 この日も、一年生達のスパーリング相手は大崎と森谷だった。キャプテンの相沢は出ていない。


 練習が終わった時、健太が飯島へその旨を質問した。

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