臆病者達のボクシング奮闘記(第三話)
「相沢はなぁ、勘が悪いからスパーで手加減出来ないんだよ。相沢が相手をすんのは、片桐と高田がもう少し戦えるようになってからだな」
「え、まだ無理なんですか?」
答えた先生に、健太は不満そうな顔をした。森谷先輩と二度のスパーリングでそこそこ善戦したのもあって、彼なりに自信が付いたのであろう。
「何だ片桐、もう戦えると思ったのか?」
飯島の表情が少し険しくなった。健太もソレに気付いた。
「……いえ、そういう訳ではないです」
「片桐は、スパー中しょっちゅう顎が上がって俺から注意されたろ。まずそれを直せ!」
「……言われた時は直しました」
「アホ! 言われなくなって初めて直った事になるんだよ。顎が上がってっと、致命的なダメージを食らうからな」
「はい、分かりました」
健太が渋々返事をした後、続いて康平が質問をした。
「先生、一つ下の後輩で来年ボクシング部に入りたいという女の子がいるんですが……」
「え、まだ無理なんですか?」
答えた先生に、健太は不満そうな顔をした。森谷先輩と二度のスパーリングでそこそこ善戦したのもあって、彼なりに自信が付いたのであろう。
「何だ片桐、もう戦えると思ったのか?」
飯島の表情が少し険しくなった。健太もソレに気付いた。
「……いえ、そういう訳ではないです」
「片桐は、スパー中しょっちゅう顎が上がって俺から注意されたろ。まずそれを直せ!」
「……言われた時は直しました」
「アホ! 言われなくなって初めて直った事になるんだよ。顎が上がってっと、致命的なダメージを食らうからな」
「はい、分かりました」
健太が渋々返事をした後、続いて康平が質問をした。
「先生、一つ下の後輩で来年ボクシング部に入りたいという女の子がいるんですが……」